DrumsTuningBlog ~ドラムに纏わるウロトアゼ~

ドラム音職人によるミュージシャンのためのチューニング覚え書き・・・ Drumsとともに年を重ねた、笑いと涙の夫婦善哉。

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オリジナリティ

注:今回はわりと長文です。しかもかなり説教じみてしまいました。チューニングの方法は書いておりません。でもみんなあまり口に出して言わないような事を書いたつもりでもおります。ご了承ください。


前回、楽器から最大限に鳴りを引き出す方法を例にとって【個性】を考えてみました。
「楽器が良く響くように準備できていれば、おのずと個性は表れる。あなたのドラムも必ず持っています。」といったことを書いてみました。

そして、この楽器を、こうセッテイングして、こういう風に使いたいという部分では・・・「そこからはオリジナリティの話」とも書きました。

「いやいや、オリジナリティを持ち出すまでもなく、だれかがそう考え、そういう音を作るのなら、すでにその人だけのオリジナルの音じゃないか?」

そういったご指摘もあるでしょう。しかし、現実的に音のオリジナリティは誰にでも感じるものではありませんし、広く表現においては、その世界でやっていけるか否か、明暗を分けるところでもあります。
今回はその【オリジナリティ】に関する考察です。


質問してもよかですか?

オリジナリティがある!と思うのはどんな音ですか?
いきなりだと難しい?ではオリジナリティを感じない音は?

これはたぶん・・・ありふれた音なんだろうと思います。逆に言うと、ありふれていない音=オリジナリティがある音、となりますが、それだけだとちょっとマズい。奇抜なら良いってことになってしまう。

「ありふれてなくて、でも共感できる音」。もしくは「他にはない感じだけども、その音楽にすごくマッチしてると思える音」というのはどうでしょうか。

あなたを主体にすると「あなたしか持ち得ないもので、他の人にも伝わる音」ということになります。


オリジナリティ溢れるプレイや音に出会うと嬉しくなったり、驚いたり、憧れたりします。
表現が伝わり感動する。ここがポイントだと思います。

だから「自分がやれば自分のオリジナルじゃん!(けっこう多い)」というようなお気楽な意見には?が浮かんでしまうのです。
オリジナリティは(あなたの独自性は)観た人、聴いた人が決めるものであって、自分で「おれにはある!」って言っても仕方ないでしょ?って思います。


ではどうやったら、そのオリジナリティを手に入れられるんでしょうか?

こんな経験ありませんか?
ちょっと口やかましい先輩やオーディションの審査員に、オリジナリティがない!とか言われてへこんでしまう。
オリジナリティが大切、オリジナリティを出さなければならない。。。色々と目新しいことをやっては見るが伝わらない。どうすればいいの??

結論から言うとオリジナリティとは考えて出てくるものではありません。
ふりかけみたいにパッと出してササッとかけて「はい、オリジナリティです」というわけにはいかない。

なぜならば、それは滲み出てくるものだから、です。

今まで、何を、だれと、どこで聴き、演奏してきたか、といったような音楽人生の履歴書が問われます。
オリジナリティを出す、といった作為的な考え方はこの〈滲み出てくるもの〉を邪魔するのです。

憧れのあのアーティストは、オリジナリティを出してやるぞ~と考えて演奏してなんかいません。
自分だったらこうやる、この曲はこう演奏しよう・・・ようは普通なんです。

ただ注目すべきは、彼の普通のつもりのモノが他の多くの人には、自分にはない、なにか特別なモノに感じる。

この彼と自分のズレの部分こそが実はオリジナリティの正体です。


では具体的には?

高めること。自分のスタンダードが他人には当たり前ではない、というくらいに。

ひとつには音楽人生の履歴書を充実させる事です。いろんな音を聴いて、たくさんの楽器に触れて、いろんな人たちと交流すること。
余談ですが・・・僕もいろんな場所でワークショップやレッスンをやります。生徒の中で一年で一番伸びる人はどんな人だと思いますか?これは、いちばん経験した人です。
そして素直な人。いろんなやり方や考えをいったん受け入れて、試してみて、自分に必要かどうか選別できる人なんです。

さらに、具体的な日々の鍛練としては、模倣することです。

えっ・・・真似?そう、真似です。

逆説的ですが、模倣の先に、オリジナリティは存在すると思います。僕もそれしかやってこなかったし、いまでもそうです。
とにかく、たくさん、たくさん模倣すること。そうすることでセッティングやチューニングの理解がどんどん深まります。
自分が真似してみたい音から初めて、音楽の歴史を過去に遡って、色々な音を作ってみること。

なぜその音なのか?考えながらやっていくと、先人の偉大さに気付きますし、良質な音づくりの勉強にもなるのです。音の解釈が深まり、自分の音にインパクトが出てきます。

さらに模倣の腕を何年も何年も、これでもかっ!と磨いていく。そうすると今度は必ず模倣できないところが出てくる。どうしても埋まらない溝。

それこそが先人のオリジナリティの部分です。そこは今度はあなたが、自分の何かで埋めなければならないところ。音に魂を入れるって部分なんです。


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個性

 個性について。ドラム的考察。

 僕が楽器の個性を引き出すためにやっている事。
 それは、振動を邪魔しない、ということです。つまり、打面のアタックの振動をどれだけドラム全体に行き渡らせるか、そこがポイントだと思っています。

 まずは楽器をチェック。パーツ類のネジは緩んでないか?シェルは欠けたり、割れたりしてないかな?エッジは滑らか?フープは曲がってない?ヘッドも、凹んだり破れたりしてないですか?
 これらはすべて素敵な振動を妨げるファクターです。ここで異変があったら、速やかに対処してください。直し方がわからない場合は楽器屋さんに直行。もしくはご連絡下さい。

 ではでは~、準備が整ったならば・・・やってみようかな(よかったら皆さんもやってみてください)。 
 両面のヘッドを均等張りで同じピッチに揃えます(ずいぶん簡単に言いましたが・・・大変な作業)。
 次に打面ヘッドのボルトに近い場所を指で軽く「トン」と叩きます。このとき裏面の同じ場所も指で触れてみて、振動を確かめます。
 
 振動来ましたか?
 
 振動が来ればOK。来なければ何かが邪魔をしています。
 楽器は本当に問題なかった?では裏面側のボルトを少し廻してみましょう。少しピッチがズレているかもしれません。
 ラグを挟んで裏表のボルトが同ピッチになると「おっ!」とびっくりするくらいの振動があります。 これを一周、すべての箇所が「おっ!」となるくらいに調整します。

 打面を叩いた振動が、シェル内の空気を、シェル自体を伝わって裏面を振動させ、裏面は振動を表面側に押し返す。表面はまた裏面に押し返す。さらに。。。
  
 ドラムに振動という血液が通いはじめます。大切なのは血の流れを良くすること。これは何か特別なものを付け足すのではなく、邪魔なものを取り除いていく、という作業です。血行が良くなると、その楽器の音が生き生きとして、本来持つ、その楽器固有の魅力が素直に現れます。

 さて、ここまでお付き合いいただいた奇特なあなた。叩いてみた感想はいかがでしょうか?

 これが〈両面均等張りで同ピッチのサウンド〉ということになります。どうですか~。とても素直な素晴らしい音してませんか?間違いなく〈使える音〉です。
 
 ・・・・・・だけど・・・次第に・・・「いい音だな~」という感想よりも、「あっ、こういう感じだったら、もっとこうしてみたいな~」というイメージが、アイディアが湧いてきませんか?

 個性は見えた。他の個体との差異は分かった。じゃ、僕なら、私なら、こういう使い方をしてみたい!という事ですよね。

 ここからは次の段階〈オリジナリティ〉の話になります。大切なのは音に対する深いリスペクト。近いうちに書いてみたいと思います。
   


 補足

 他のチューナーさんで、
 シェル自体の湿気(木胴の場合)をドライヤーでとばす、
 ヘッドそのものにドライヤーを軽く当て(一周する)エッジとの馴染みを良くする、
 なんていう技を使われる方もいます。

 すべて、ドラマーが叩いたショットを、いかに邪魔をなくして伝えるかってことなんですね。


 

 
 さぁ、君も邪魔なものを脱ぎ捨ててごらん?





 なんちゃて。


 そうそう、WILD FLOWERの池田くんが【NUDE】って名前の楽器用のケーブルを今一生懸命作っていて、レコーディングスタジオでのモニタリングなんかも始めています。ヌードってネーミングだけでやりたいことがわかる(笑。音を聴くとさらにわかります。おっ、いいことやってんなっ!と思います。


リハスタ日記

 リハーサルスタジオのドラムチューニング。いい音でプレイして欲しいって気持ちで、地道に活動してます。
 先日、JAZZ系のドラマーが練習した後のカンカンに張られたヘッドをチューニングし直していた時のこと。
 
 「このチューニングだと本人は気持ちいいかもしれないけれど、後に入った人は辛いだろうな」
 「JAZZがパイピッチって固定観念だよなぁ」

 などと思いながら、4ビートを叩いてみたら・・・ハッと気づいた。

 「あっ、俺、シンバル主体のプレイをイメージして音を作ってなかった!」
 
 う~ん。スタジオを利用する人の大半はROCKやPOPSを演奏する人たちなのでそのイメージだけで音を作ってしまっていた。。。
 右足と左手、バスドラムとスネアでリズムを出すイメージ。バスドラムを土台にしてスネアでダスッって感じのROCKな色付けをするチューニング。
 
 でもJAZZは違う。右手と左足でリズムを作り、スネアとバスドラムを織り交ぜるスタイル。要はシンバルレガートに上手く絡めるスネアとバスドラの音が必要だったワケ。しかも練習スタジオのライドシンバルはアタック鋭い、ハイピッチで大音量のもの。

 「そうか!だからカンカンした音にしちゃうんだ!というか、なっちゃうんだ!」

 それが解れば、さっそくチャレンジ!
 
 具体的には、普段のチューニングを基本に、アタックと粒立ちを引き立たせる感じ。裏ヘッドより打面を若干張り気味に。シンバルをレガートしながら気持ちよく倍音が絡むくらいの張り具合に調整。
 これならもうカンカンに張らなくても叩いてくれるかな?
 ROCKもまったく問題はない・・・BLUESはバッチリだと思うが。。。どうかな?
 
 ジャンルだけではなくて・・・シンバルでリズムを作る場合の音づくりとバスドラでリズムを作る場合の音づくり。それを意識するだけで音色の幅がグッと広がるんですね。
 
 そんなこんなで、何気に学ぶことがたくさんあり、俺チューニング下手だなぁ~と落ち込ませてくれる、リハーサルスタジオの一日なのであります。

 PS JAZZドラマーの方、好きです!


 

 普段、JAZZに関係した記事はほとんど書かないので、この機会に♪

B000003N7I.jpg
 John Coltrane/Ballads 
 1961~62

 演奏すごい!録音も素晴らしい。前々回に書いた〈音楽のフォルム〉を完璧にとらえた一枚だと思います。
 録音にエクストリーム感はいらない。その場で起きている事を誠意をもって記録するだけ。
 必要な音だけをさりげなく聴かせるMIX・・・素晴らしい。
 僕にとっての名盤です。音が語りかけてきてくれます。機会があったら、この感覚を皆さんも味わってみてはいかがでしょうか!。
 録音はルデイ・ヴアン・ゲルダー。




まる投げし過ぎかな?

今回もチューニングじゃないけれど、読んでやって下さいまし~。

ドラム録りで、プロデューサー含め全員が頭を抱え込んでしまうって事がたまにある。
ドラマーが全然叩けてない。ショットが悪い。リズムが悪い。指摘しても直らない。しかもドラム経験者がいない現場ともなると・・・ん~、困ったな~(泣、って空気が流れる。
ドラマーも辛い、みんなも辛い。自分も演奏をするので、プレイヤーの気持ちは痛いほどわかる。
・・・なのでアドバイスした方がよさそうな時は、出来るだけ即効性があることを言うようにしています。 興味深いのは、いままで言ってきたことを振り返って、次の2つがダントツに多いこと。

「あたま(一拍目)に、口に出して、ハイッ!って言いながら演奏してみて」
「お尻の筋肉(特に右側)が緊張しているから力抜いてみて」

??さて、なんでだろう??

実際、レコーディングの現場だとその場で結果が出るから皆さん納得してくれています。たかがドラムチューナーのお節介だけど、上手くなるヒントかな?と思うのでリズムで悩んでる人は、やって、考えてみたら・・・どうかな?

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